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【元店員暴露】着物はなぜ高いのか?悲しい理由をぶっちゃけます。

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着物姿の女性

成人式に某着物業者のバックレ問題があり、社員の未払い給料まで考えたら被害総額はヘタしたら億行ってるんじゃないか…

なんて考えてるmasaです。

 

「レンタルの振り袖と着付けで40万円振り込んだのに…」なんてニュースで見て

「は?着物ってそんな高いの?レンタルでしょ?」って言ってたのが、僕の友人。

 

僕は以前呉服屋さんで働いていたことがあるんですけど、大体そんなもんです。

 

今回は「着物って高くね?なんで?」というお話(・∀・)

 

  1. 高くても仕方ない理由
  2. ぼったくりな理由

の二種類に分かれます。

 

高くなるのは当然だった!着物の価値はオーダーメイドの結婚指輪みたいなもんだ。

まずは「そら高けーわ。仕方ねーわ。」という理由から見ていきましょう。

お金を渡す手元

着物は長持ち

今でこそそんなことないけど、昔は着物は嫁入り道具ともされ、母親から娘に、孫にと代々受け継がれたりしていました。

 

虫にでも食われたりしない限り、滅多なことでは悪くなるようなものではありません。

 

洋服でいうなら「皮のジャケット」みたいなもの。

中に着る下着や襦袢を変えるだけでいいので、長い視点で考えると意外と安かったりもします。

作るの大変

大きさにもよりますが、一反(巻物みたいな、仕立てていない状態)の生地を作るのに、2000~3000個もの繭を使います。

 

さらにそれを染め上げ、刺繍(もしくはプリント)を施し、そこから縫って着物の形にするわけです。

 

買う側の手に渡るにはこれらの工程を通ってくるので、高くつくのは必然でしょう。

間に業者たくさん

話が被りますけど、これらの工程を1つの業者でやってるワケはないですよね?

 

  • 生地を作るところ
  • 染めるところ
  • 柄をつけるところ
  • 仕立てるところ
  • 売るところ

反物が着物として完成するまでに、どんだけ人件費かかるんだよって話です。

 

細かく言うと、この間にも問屋さんがいたりすることもあります。

 

産地問屋・引き継ぎ問屋・総合問屋なんてのがいて、まぁいわゆる仲介業者ですね。

 

今はそんなこともないのかな?ちょっとわかんないけど。

一点もの

出来合いの既製品や大量生産のプリント着物なんかもあるけど、基本的に仕立ててない着物は一点ものです。

 

ドレスだってスーツだって、サイズ計って作ったら高くなりますよね?

 

ましてや作家さんの刺繍着物なんつったら絵画みたいなものですからね。

 

これらの事を考えれば、着物が数十万~数百万と高いのは当然。

お金抜きで考えたら、着物は上質な一点もので、芸術品みたいなものですよね。

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着物は無意味に高額商品!?やたらめったら高い「裏の理由」

呉服屋さんの悪口言うつもりは毛頭ありませんけどね。

 

中には仕立て済みの出来合いやレンタル品・大量生産のプリント着物まで高額な値段で提示してるところもあります。

けっこうあります(笑)

 

僕の働いてたところはそうでした。だから潰れたんでしょうね( ´∀`)

 

「どうせ高いものだ」と誤認してるお客さんは良いカモ。

着物は高い=これは違っていて、良い着物は高いハズ。

 

呉服商の責任といえばそうだし、仕方ないといえば仕方ない…

 

そんな理由もあります。

ソファに座る高齢男性

着る人がいない

もうね。

ほぼ全部これが元凶だと。

呉服屋さんは欧米化の被害者です。

 

着る機会がない、とも言えますね。

 

仕事や趣味で着る以外の人にとっては、〇〇式でしか用がないでしょう。

それですら、今は必要ないかもしれませんね。

 

当然、お客さんが減ればそれだけ高くしなければやっていけません。

ターゲットはお金持ちと…

高くすればさらにお客さんは減ります。

 

高くしたから客が減ったのか、減ったから高くしたのかは知りませんけど…

 

現状、呉服屋さんのターゲットは

  1. お金持ちの人
  2. 高くても買わざるをえない人

のどちらかです。

 

実際、どんなに高くても一定数買う人ってのはいるんですね。

 

お金に糸目をつけない人か、必要に迫られて買う人です。

 

見ていて残念だったのは、悪質な着付け教室やお茶、お花の生徒さん。

 

「周りが買ってるから・先生に薦められて」と、旦那に内緒でローン組んでる人なんてザラでしたからね(笑)

 

ああいうところでは、値段の高い着物を着ている人が正義です。

押し売りには気を付けてね。

値段があってないようなもの

そうなれば、呉服屋としては一般ピープルに用はありません。

単価をひたすら上げるだけですから。

 

ぶっちゃけ、呉服の値段なんて「てきとう」です。

 

慣れてるお客さんなんかは、50万の着物を値切って15万とかですからね(笑)

 

逆も然りで、ローンキツキツのお客さんに最初は50万で提示して、買わないとなれば10万円みたいな。

たたき売りじゃねぇんだから。

 

意味わかんないですよね。

 

で、さらに良くないのが、お金に困ってない人は「値段じゃないわ」とか言って煽るわけですよ。

 

知ってる人にはそんなもんだけど、知らない人から見たらそれが定価。

まさか80%OFFでも買えるとは思わないでしょ?

 

高いから買わない。買わないから高くする。

いつからか始まったこのループに、まともに営業している呉服屋さんも頭を悩ませているところでしょう。

呉服への知識不足と呉服商の対策

僕も生きていた時代じゃないけど、着物なんて昔はそれこそ庶民も当たり前に着ていて、家で縫うなんてこともしていました。

 

それがいつの頃からか「着付けが難しそう…」「敷居が高そう…」「ルールがありそう…」ってなりました。

 

こういった事を気にするのは恥をかくのが嫌いな日本人だからなんでしょうね^^;

余談ですけど、着物のルールなんてフォーマルな場面意外はまっっったく気にしなくて大丈夫です。むしろ独自の着こなしをしている方が粋とされ、オシャレなんですよ。

本来はもっと気楽に着れるものなんですけどねぇ…

 

で、こういった着物離れに対して昔の呉服商がとった対策ってのは先に挙げた「単価を上げる」ということ。

 

昔の(今もかな?)呉服商ってけっこう殿様商売なんです。

それもそのはず、呉服商ってのは本来大奥やお殿様の御用達で、羽振りも良く、プライドが高い。

客を選べる立場にあったので、「いらなきゃ売らないけど?帰れば?(゚Д゚)」っていう意識が強いんですね。

 

その名残というかなんというか、客足が遠のいても「別に貧乏人に用はねぇ!」みたいな商売を続けてきました。

 

今でこそレンタル着物や格安着物・出張着付けなんかのサービスがありますけど、時既に遅し。

その姿勢をもっと早く持っていればもう少し着物界の未来も明るかったのかもしれませんよねぇ…

おわりに

いかがでしたか?着物が高い理由を思いっきりぶちまけていきました。

 

賛否両論あるかと思いますが、少なくとも僕が働いていた時に見ていた呉服屋の姿はありのままにお伝えしてきました。

 

本来の着物は、着こなしや柄による季節感・帯や小物との掛け合わせを楽しめて、洋服にも負けない魅力があるものです(あったかいし)

 

夏祭りになれば、日本人は喜んで浴衣を着ます。

着物そのものに興味がなくなったワケじゃないのに、「高い」という理由でどんどん着物文化が廃れていく現状…

 

どうにかならないッスかね(´・ω・`)