9月になりましたね。9月と言えば秋のお彼岸です。
僕の実家は超がつくほどの田舎です。
田舎=田んぼが多く、秋お彼岸の時期になると真っ赤な彼岸花が咲き乱れます。
その光景はまさに地獄少女・閻魔あいの家さながら。
僕の田舎では彼岸花が咲くと、
「折ると仏様が蘇る」
「親指を見せると魂を抜かれる」
と、なにやら気味の悪い言い伝えがありました。
そのせいで子供の頃は彼岸花に近づかなかったのを覚えています。
見た目も真っ赤でなんだか怪しい雰囲気ですしね。
こういった迷信めいた話って実は全国にあるみたいなんですね。
ではなぜ彼岸花にはそんな縁起の悪い話がついて回るのでしょうか?
彼岸花の別名はなんと1000種類以上!不気味なワードがついた理由
全国的には「彼岸花」で通用しますが、その別名はなんと1000を超えるそうです。そしてその中には「死」を連想させる名前もあります。
・死人花(しびとばな)
・地獄花(じごくばな)
・幽霊花(ゆうれいばな)
これだけでもなんだか気味が悪いです。
その他にも有名な別名として「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」というのもあります。
なんだかあの世を連想するような名前ばかりです。
なぜこんな名前がつくの?そもそも彼岸花とは
彼岸花という名前はそのまま、秋の彼岸のうちの数日しか咲かないことから名前がついています。
お盆に咲いていたらお盆花だったかもしれませんよ。
なぜこのような別名がついたのかというと、彼岸花の特徴とその使われ方に大きく関連していそうです。
彼岸花の特徴
- 9月、彼岸の中日の前後にしか咲かない
- 墓地や田んぼのあぜ道に咲く
- 強い毒を持っている
彼岸花は強い毒を持っているのを知っていましたか?
別名の中にも「毒花」という言葉もあるほど。
その毒はなんと球根1つにつきネズミ1500匹を殺す力を持ちます。
人間でも食べてしまえば吐き気や嘔吐、下痢を引き起こし子供や体力のない人を死亡させることもある怖い花なんですね。
※触るだけなら問題なし。1度に大量に食べたりしなければ実際は大丈夫です。
毒を利用して植えられた
昔の人は賢いもので、そんな彼岸花の毒を利用することを思いついたんですね。
それが田んぼやお墓の側に植えられた理由。
土の中にいるモグラなどの小動物が寄ってこないように毒、言い換えれば地雷を設置したわけです。
田んぼなら稲作被害のないように。
土葬だった時代には遺体を食い散らかされないように。
そしてこれが彼岸花の迷信へとつながっていきます。
彼岸花にまつわる迷信
ここでいったん彼岸花にまつわる迷信をご紹介しましょう。
- 彼岸花に親指を見せると魂を抜かれる
- 彼岸花を折ると仏様が蘇る(この2つは僕の地方で)
- 彼岸花を摘むと手が腐る
- 彼岸花に近づくと魂を抜かれる
といったような内容が延々と出てきます。
何かお気づきでしょうか?
言い回しの違いはあれど、その内容を要約すればこうなります↓
「彼岸花を折るな」
「彼岸花に近づくな」
もう分かってきましたよね?
彼岸花毒地雷を設置した方達の(勝手な妄想) 会話です。
村人A「っしゃ、これで田んぼさ荒らされねえで済むべや」
村人B「んだんだ、仏さんもネズミどもに食われねえ。ありがてえや」
村人C「んだども、ガキどもが悪さしねえべか?」
村人B「んだなあ、トクさんとこのイタズラ坊主なんか、根こそぎむしっちまうんじゃねえのか?」
村人A「そいつぁうまかねえ、こんな毒の強えモン食ったりしたら大人でも腹ァ下すぐれえだ。大事になっちまうべや」
村人C「そんな事になったらご先祖様に申し訳が立たねえべ」
村人B「そしたらよ、村のガキ共にうんと怖い話をして、彼岸花に近づかせんようにしたらどうだべ?」
村人D「さすがは智将と恐れられた御三方、素晴らしい名案ではないか」
村人ABC「誰だよ」
子供達が彼岸花にイタズラしたり、誤って食べてしまうのを防ぐためにこのような迷信が広がっていったのだと考えられます。
迷信もあながち嘘ではないということですね。
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一瞬で咲き、すぐに枯れる彼岸花
彼岸花がいつ咲いているかはご存じですか?
僕の田舎にも毎年咲いてはいますが、ほんとにあっという間なんですよ。
なんとなく蕾が出てきたな~と思うと翌朝には赤い集団が現れているんです。
不思議ですよね。
そしてその開花期間も3~7日程度。彼岸がすぎると同時に一斉に姿を消します。
このことから僕の地方では
「彼岸の間は仏様がこっちに来ていて、こっちにいる間の宿なんだよ」
と教わっていました。ロマンティックのような気味が悪いような・・・。
彼岸に合わせて咲くその姿からも死者にまつわる花としてのイメージが定着したのでしょうね。
彼岸花の花言葉
そんな怖いイメージの彼岸花ですが、その花言葉は
・「情熱」
・「再会」
・「また会う日まで」
・「思うはあなた一人」
といった違う一面も見せています。
どちらかというと由来というよりはその真っ赤な色にちなんだ情熱的なイメージでしょうか。
確かに怪しげですが、その儚い美しさは心惹かれるものがありますからね。
でも、ここまで話してから「再会」とか「また会う日まで」って言われると、仏様の話?と考えてしまう僕はやっぱりビビりなんんでしょうか(笑)